つめかえパックリサイクル

つめかえパックをリサイクルしたごみ袋で神戸のまちをクリーン作戦!市民、企業、自治体が一丸となって進めるリサイクルの形。「つめかえパックリサイクルと神戸クリーン作戦」

2023.03

洗剤やシャンプーなど使用済みの日用品のつめかえパックを再びつめかえパックに戻す「水平リサイクル」を目指した取り組みが神戸市を舞台に進められています。この取り組みには、自治体、製造を行う日用品メーカー、製品の販売を行う小売、回収して資源化するリサイクラーの連携に加え、市民の協力が不可欠です。そこで、今回市民のみなさんにつめかえパックのリサイクルを知ってもらおうと、つめかえパックリサイクルのプロジェクトチームが、ごみ拾いをしながらつめかえパックのリサイクルについても学べるイベントを企画。2023年3月18日(土)に「つめかえパックリサイクルと神戸クリーン作戦」を神戸市長田区にあるふたば学舎で開催しました。

神戸市内で集めたつめかえパックでできたごみ袋でクリーン作戦

当日は幅広い世代から57名が参加。どんなイベントが始まるのか皆そわそわした様子でした。会場にはプロジェクトチームやつめかえパックリサイクルを紹介する展示もありました。

イベント冒頭、神戸市環境局の福本局長から挨拶がありました。「今日のクリーン作戦はいつもと一つ違う点があります。それはこのごみ袋が、つめかえパックからできていること。神戸市内で回収した使用済みのつめかえパックをリサイクルして作られました。実は、つめかえパックの袋へのリサイクルは全国で初めての試みです。神戸市では今、メーカー、小売、リサイクラーと協力して資源循環の仕組みづくりを進めています。プラスチックを正しく使い、適切に処理すればこうしてまた使うことができます。今回のイベントが、みなさんと一緒にプラスチックの未来を考えていく機会になればと思います。」

プロジェクトチームにて市民への認知拡大施策を担当するグループのリーダー・瀬戸さんからは、つめかえパックとそのリサイクルの説明とともに「神戸市内ではこれまで市民のみなさんのご協力で1.5トンの使用済みつめかえパックが集まりましたが、検討を進めるにはまだまだ足りません。ぜひ多くの方につめかえパックの回収にご協力をお願いしたいと思います。」と呼びかけがありました。

クリーン作戦スタート!ごみを集めながら、環境クイズラリーに挑戦

今回のクリーン作戦は、ビンゴカードに書かれたごみを拾いながら、長田区の街中のチェックポイントを巡って環境に関するクイズに答えてビンゴを揃えていくゲーム感覚のクリーン作戦です。

参加者はグループに分かれて動きます。エリアマップを見ながらどのチェックポイントを回るか作戦会議。グループ内は初対面の人も多い中、自然と交流が生まれていました。参加した女性は「グループのみなさんと、気軽にお話できて嬉しい」と話していました。

今回は参加者の方にお家から使用済みつめかえパックを持ってきてもらい、リサイクルに出してもらう体験も実施。会場であるふたば学舎の2階にある「資源回収ステーション」でも回収ボックスが設置されているので、「今度、ここへ持ってこよう!」という声も聞こえました

終了後はみんなでごみの分別を行い、記念撮影。燃えるごみが45L×2袋、缶・ビン・ペットボトルが45L×1袋、燃えないごみ45L×1袋が集まりました。

正解発表は大盛り上がり。クイズを通してつめかえパックリサイクルが身近に

ごみ拾いのあとはクイズの正解発表です。「つめかえパックをリサイクルしやすくするために、やっておくと良いことは何でしょうか?」など、クイズを通してつめかえパックリサイクルについて知ってもらう問題がたくさん。会場からは答えが発表される度に、「いえーい!」「やったー!」と子どもたちの元気な歓声が上がりました。

ちなみに先ほどのクイズの正解は、「中を軽く洗っておくこと」。中を軽く洗ってから出してもらえると、選別などの作業がしやすくなったり、リサイクルに必要な水や時間を減らすことにもつながるのでぐっとリサイクルしやすくなります。また、洗う前に中身を1摘残らず使うように心がけることも大切なことなんです。

水平リサイクルに関するクイズでは「今回はつめかえパックを袋にリサイクルしましたが、技術をもっと高めて、水平リサイクルされたつめかえパックが、みなさんの手元に戻ってくる事が出来るように、私たちは頑張っています。」と参加者にプロジェクトの想いが伝えられました。

クイズの後はお待ちかね、日用品メーカー各社のつめかえパック商品がもらえるじゃんけん大会。最後まで盛りだくさんのイベントとなりました。

閉会ではプロジェクトチームメンバーより、「取り組みのキャッチコピーである『みんなでつなげようつめかえパックリサイクル』の『みんな』にはいろんな意味が込められています。それは、神戸市民のみなさん、神戸市、メーカー、小売店、リサイクラー、プロジェクトを支える事務局や、広報の方々です。今回のイベントもみんなで一緒に作り上げました。市民のみなさんには、ぜひこれからもプロジェクトに協力していただければと思います。」と挨拶があり、会場があたたかい拍手に包まれ、イベントが終了しました。

今回のビンゴの景品は、使用済みの歯ブラシをリサイクルしてできた定規や紙のファイル、エコバックなど環境にやさしい商品がずらり。みなさん帰り際に景品を受け取り、笑顔で会場を後にしました。

参加者の声「楽しかった!」「つめかえパックリサイクルに参加したい」

●いつもふたば学舎で活動している女性
「いつも何気なく通る道も下を向いて歩いてみると、たばこの吸い殻が沢山あって驚きました。これからは道に落ちているごみが気になるんじゃないかと思います。ふたば学舎2階の資源回収ステーションにはよく行っていて、使用済みのつめかえパックは回収ボックスに入れるようにしています。これからも続けていきたいです。」

●親子で参加した女性
「3歳の子どもと参加しました。子どもはごみ拾いを宝さがしのように楽しんでいました。」

●友達と参加した大学生
「楽しかったです。商店街内は、ごみは少なくきれいでした。横断歩道の近くにたばこの吸い殻が多かったのが印象的です。」

●お母さんと参加した小学生
「楽しかったです。これからは近くのお店につめかえパックを持っていきたいです。」

●友達と参加した男性
「リサイクルの技術を上げれば、プラスチック問題の解決につながっていくのだと思いました。」

ゲームを楽しみつつ、学びにもなった様子。イベントに参加する前と後では、ごみ拾いやリサイクルに対する意識に変化があったようです。

主催者の声「市民との連携の重要性を実感」「まわり続けるリサイクルを実現させたい」

イベントを企画したつめかえパックリサイクルプロジェクトチームを代表して3社の企業の方々に、イベントの感想を伺いました。

●花王株式会社 研究開発部門 包装技術研究所 瀬戸さん (日用品メーカー)
神戸市で回収した使用済みつめかえパックがごみ袋としてまた神戸市で利用できたことが嬉しかったです。今日参加したみなさんが、まちなかで拾ったものがごみではなくて資源なんだという気持ちが芽生え、よりものを大事にするようになってもらえればと期待しています。そして、この仕組みが日本全国に拡がって、世界にもつめかえ文化が拡がって世界中のごみ問題に貢献できたらと思います。

●株式会社ダイエー 総務部 中山さん (小売)
スーパーやドラックストアは、来店されるお客様につめかえパックリサイクルを一人でも多くの人に知ってもらいたいという思いがあります。知っていただく機会として今回クリーン作戦を企画したのですが、多くの方々が参加してくれて嬉しく思います。参加してくれた方がお友達や家族につめかえパックリサイクルのことを伝え、口コミやSNSで拡がっていけば、回収も増えて活動が発展していくのではないかと思います。
つめかえパックが再びつめかえパックになって店頭に並び、市民のみなさんの手に届く。さらには、そのつめかえパックがまたつめかえパックになる。こうしたリサイクルの最終形を市民のみなさんも期待されていると思います。まわり続けるリサイクルをぜひ実現したいと思います。

●大栄環境株式会社 技術部 大橋さん (リサイクラー)
大栄環境として普段から会社近くでクリーン活動を行っているのですが、こんなにも多くの企業の方や地域の人と一緒に取り組むクリーン活動は初めてのことでした。子どもから大人まで笑顔で楽しく活動している姿を見ると、こうした活動は有意義なものであると感じますし、今後も続けていきたいと思いました。
そして、メーカー、小売店、リサイクラー、消費者がつながってみんなで作り上げていくことが実感できる取り組みとして、全国のモデルになれたら嬉しいです。

イベントを通して、参加者のつめかえパックリサイクルへの理解が深まっただけでなく、市民と企業、自治体間の交流も生まれプロジェクトの一体感が高まったようでした。私たちが回収ボックスに出したつめかえパックがつめかえパックとして再び私たちの元へ戻ってくる日が待ち遠しくなりました。実現のために、ぜひみなさんもつめかえパックリサイクルに参加してみてください。

KOBE PLASTIC NEXT ―みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル―

 

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