「こうべ環境博覧会 『かんぱく2024』」につめかえパックリサイクルプロジェクトが出展しました!
2024.11
2024年10月19日(土)、神戸市長田区のふたば学舎で開催した「こうべ環境博覧会『かんぱく2024』」に、つめかえパックリサイクルプロジェクトが出展。
使用済みつめかえパックをリサイクルした傘のお披露目ワークショップやプロジェクトの活動報告会を行いました。
つめかえパックリサイクルブース
つめかえパックリサイクルブースでは、来場者へつめかえパックのリサイクルについて説明しました。
また、回収店舗のチラシを見て、近所やよく行く場所に回収BOXがあることを知った来場者から、積極的に参加したいというお話もありました。
ブースで行ったアンケートでは、約3割の方が「取組を知っていた」と回答。
説明を聞いた方の99%にあたる162人が「参加したい」との意思表示をしました。
ブース来場者の声
・よい取り組みなので、子どもたちへの教育教材として使用したい。
・(すでに回収に参加している人から)機会がある度に、つめかえパックのリサイクル回収について友人に伝えている。
・以前もこの環境イベントで神戸PNのブースに立ち寄った。その際にプロジェクトの内容を学んだので、現在回収に参加している。
・これまで、市の可燃ごみで出していたが、次からは分別してリサイクルに出すようにする。
・普段からペットボトルなどと一緒に、つめかえパックもふたば学舎の資源回収ステーションに持ってきている。
「リサイクル傘」お披露目ワークショップ
「かんぱく」では、傘シェアリングサービス「アイカサ」と連携し、使用済みつめかえパックからリサイクルした傘をお披露目する傘づくりワークショップを開催しました。
子ども達は、傘の組み立てを体験した後、傘の生地にシールやマジックで思い思いの絵を描いて、世界にひとつだけの傘づくりにチャレンジしました。また、出来上がった傘をさして記念撮影を行いました。
参加者からは、「傘づくりは初めて体験したが、子ども達も楽しんでいた。たくさんの人や企業が連携してごみを出さずリサイクルして、傘になったことが知れてよかった。今度から、つめかえパックはごみに出さずに、回収店舗へもっていこうと思った。」との意見もいただきました。
リサイクル傘は、2024年12月より神戸市内のアイカサスポットで運用開始予定です。
3年間の実証報告会
セミナーコーナーでは、プロジェクトメンバーが登壇し、プロジェクト開始から3年間の実証報告を行いました。
NPO法人ごみじゃぱんの石川 雅紀代表理事が、プロジェクト3年間の活動レビューを行い、「このプロジェクトは、世界中を見渡しても例がない取り組み。普段同じような分野で競争している企業が協働して、ひとつのもの(つめかえパック)を集めようというのは例がない。3年間の活動を終えた課題は、もっと広い範囲で知っていただくこと。水平リサイクルは、我々だけでは実現できない。最大の課題は、回収量を増やすこと。もっと皆様のお力で協力いただきたい。さらには神戸から全国へ広げていけたら。」とまとめました。
登壇者の主なコメント
■生活協同組合コープこうべ 松井 清武さん
コープこうべは、2030年までには、プラ25%削減を目標に取り組んでおり、つめかえパックの「水平リサイクル」を目指すプロジェクトに期待をしている。つめかえパックの回収量は年々上がってきており、2024年は更なる増加が期待できる。また、これまで回収量拡大のための認知拡大イベント等を開催。組合員の皆さんが自分たちで売り場のスペースを活用してのPRなど、他のペットボトルと同じように資源回収の品目として認知いただくことでの回収量アップを期待している。
■株式会社光洋 髙橋 真哉さん
メーカーとお客様の間に立つ小売りとして、お客様へ対して周知活動を行い、回収量を増やす取り組みを行っている。マックスバリュ長田南店でもつめかえパック回収のイベントを行った。お客様に直接お話を聞くと7~8割は知らなかったという人も多い。しかしご案内したお客様からは、次から持ってきたいというお声をほぼ100%いただくことができている。回収量を増やすことには、まだまだ伸びしろがあると前向きに考えている。この取り組みを通じて、地域の資源循環に貢献していきたい。
■大栄環境株式会社 大橋 紗奈さん
神戸市民の方が集めていただいたつめかえパックの回収から、運搬、選別、計量、記録までを行っている。選別では異物を取り除く作業をしている。リサイクラーとしては適切に選別することそして安全に作業することを心掛けている。
大栄環境は、環境創造企業としてプラスチックの循環型社会を目指していきたいと考えている。
■ライオン株式会社 中川 敦仁さん
つめかえパックのリサイクルが難しいという話がでてきたが、ペットボトルのリサイクルはまわっているが、なぜつめかえパックはまだ頑張らなければいけないのか。リサイクルには様々な主体がかかわっていて、これらがリサイクルを回すことで適切な便利さを享受することでまわり続ける。誰かひとりが頑張ることでまわっていくわけではない。ここでちゃんと一緒になって回っていく人たちを探して、便益を届けられるように頑張っている。
■牛乳石鹼共進社株式会社 中村 葉子さん
自社製品の生産量の9割がボトルではなくつめかえパックで、今後も主要となるためつめかえパックでのプラスチック削減は当社の課題。すでに、大手2社ではつめかえパックのリサイクルを実践されており、それに続いていきたいが実用化は課題があるため、引き継ぎ検討したい。
私は、プロジェクト内の認知拡大の市民リレーションチームを担当しており、ひとりでも多くの方にお会いして、市民の方に目的や回収のお願いをしている。先日のイベントでは一日400人に来場いただいた。そのうち3割の方はこの取り組みを認知されていて、また1割の方はしっかり洗って回収ボックスにつめかえパックを入れていただいた。
今後は意識が高い人以外にどうやって知っていただくかが課題。リサイクル技術や仕組み作りに貢献することは難しいが、できることとして、ひとりでも多くの方に届くように4年目も活動していきたい。
■花王株式会社 瀬戸 啓二さん
花王の和歌山研究所では、つめかえパックの再資源化をしている。日本でつめかえパック専用の再生ラインを設置しているのはここだけ。昨年は花王・ライオンで回収したつめかえパックを再生し、再生材量を一部に使用したつめかえパックを限定数だが発売できた。技術は進んできたが、量がまだまだ不足していることやコストがかかることが課題。神戸のプロジェクトを通じて、リサイクルにかかるコストを下げ、リサイクルつめかえパックを日用品メーカー全体に普及させていくことを目指している。まだまだ集めないとまわりつづけるリサイクルはできない。神戸でできなければ、他の自治体に広がらない。
■アミタ株式会社 高瀬 晴太さん
消費者という言葉があるが、神戸市民の皆様はただ資源を消費するだけではなく、原料供給者、あるいは新しい価値を生み出すリサイクルに参加していただいているので、新しい価値の生産者になってもらいたい。このプロジェクトは市民の皆様の協力がないと全く成り立たないので、ぜひ一緒にこのプロジェクトを広めていっていただけたらと思う。