小売が続けてきた脱プラへの取り組みと、本プロジェクトへの期待
2023.06
2021年4月に創立100周年を迎えたコープこうべのシンボルマール(CIマーク)は、ブルーとグリーンの2つの円形で構成されています。CO・OPの文字で結んだシンボルマークは、「あらゆるもののやわらかな共生」をあらわしています。
そこには『人と人、組合員とコープこうべ、コープこうべと地域社会、コープこうべとなかまの生協、さらには世界。また、生活と生産、人と自然。手に手をとって、そのかなめとなっていく』という思いが込められており、そしてその2つの色彩は、コープこうべをはぐくむ山と海、そして私たちの未来と安らぎ、自然と生命を象徴しています。
このシンボルマークが示すように、コープこうべの主要エリアである兵庫県は、日本海と瀬戸内海の2つの海に面し、変化に富んだ地形と気候を有しています。これらの気候風土によって多様な農産物や水産資源がもたらされ、ここにくらす私たちは日々、多くの恵みを手にしています。そのため、この地域で暮らす組合員の環境保全に対する期待は大きく、コープこうべは、そうした組合員の思いを受け止めながら100年の歩みを進めてきました。
この長い歴史の中で、環境分野における大きなトピックスの一つに、「マイバッグ運動」があります。
全国的には、2020年7月にレジ袋の有料化義務化がスタートしましたが、コープこうべでは、1970年代(約50年前)に「買い物袋の持参をよびかける運動」を開始、1995年には、全国に先駆けて「レジ袋の有料化」に踏み切り、マイバッグ運動を牽引してきました。
現在、コープこうべの店舗に来店する組合員の9割以上がマイバッグを持参するなど、取り組みが定着しています。これら取り組みの背景には、プラスチック製のレジ袋が流通し、大量生産・大量消費型のライフスタイルが広まる中、資源循環型のくらしを取り戻し、豊かな地球環境を将来世代に残したい、という願いが込められています。
しかしながら、今日、私たちが暮らす社会は、地球温暖化による気候危機や、貧困、格差、少子・高齢化など様々な課題を抱えており、中でもプラスチックの使用・廃棄が及ぼす環境への負の影響は、より深刻さを増しています。これらのことから、コープこうべでは環境チャレンジ目標「エコチャレ2030」を掲げ、「事業活動におけるプラスチック使用量を25%削減(2017年度比)」することを目指しています。
2021年にスタートしたこの「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」プロジェクトは、私たちにとって、資源循環型のくらしを改めて追及するための新たな挑戦であり、「マイバッグ運動」と同じように、社会全体に波及していく運動になることを念頭に、取り組みを進めています。
現在、神戸市内34店舗につめかえパックの回収ボックスを設置し、多くの組合員にご協力をいただいています。一部の店舗では1か月で9㎏以上の回収がありますが、プロジェクト全体の目標回収量には届いておりません。より多くの組合員様にこの取り組みを知っていただくことにより、回収量を増やすことはもちろん、このプロジェクトの社会的背景を173万の組合員と共有し、一人でも多くの共感者・実践者を増やしていくことで「神戸モデル」を確立し、全国大の取り組みへと発展させる大きな一歩にしていきたいと考えています。
(生活協同組合コープこうべ)