ごみ拾い×ランニングのスポーツ「プロギング」を体験! 須磨海岸でステンスワンプロギング!
2021.08
7月の4連休初日。快晴の須磨海岸で、環境にやさしいスポーツイベント「ステンスワンプロギング」が開催されました。
「ステンスワンプロジェクト」は、神戸市内でぽい捨て・路上喫煙禁止を啓発するために、市内各地で様々なクリーン作戦やイベントを実施していくプロジェクト。今回は、その一環で、スウェーデン発祥のごみ拾いとランニングを掛け合わせたスポーツ「プロギング」にチャレンジし、拾ったごみの量と走った距離の合計ポイントで競います。
9時半に受付がスタートすると、続々と参加者の方が集まってきました。ランニングウエアで気合十分なチーム、ご家族連れ、学生グループ、そして、須磨海岸で定期的にビーチクリーンを実施している方々まで、さまざまな世代の方が集まりました。
10時からいよいよイベントスタート。司会はステンスワンプロジェクトのPR隊長ワタナベフラワーのムサさん。パワフルな司会で一気に会場が盛り上がります。
まずは主催者から参加者にイベント趣旨を説明。「今、世界的に海洋プラスチックごみ問題が深刻化しています。この問題を知っている人も、知らなかった人も、今日のイベントを通してプラスチックごみのことを考えてみてください。」
プラスチックは私たちの生活になくてはならない素材ですが、その丈夫さゆえ自然分解されず、ぽい捨てなどで海に流れ込んでどんどん蓄積されていきます。細かく砕けたマイクロプラスチックを誤飲するなど海の生態系にも大きな影響を及ぼしています。
今回のプロギングでは、参加者に海洋プラスチックごみを意識してもらうため、プラスチックごみのポイントが高くなるように設定。さらに、スポーツ要素を取り入れて、会場の両端に「スポチャレポイント」が設置されました。ゲームをクリアするとポイントが加算していきます。ごみを拾いながら、うまくポイント加算できるように効率よく動く。体はもちろん頭も使うスポーツのようです。
プロギングはチーム戦。今日初めて会った人たちも一緒になって、10人1組のチームを作ります。まずはチーム内のアイスブレイク。誕生日順に並ぶ時間を競うゲームとじゃんけんのゲームで、参加者の緊張した雰囲気がほぐれていきました。
いよいよ40分間のプロギングスタート。一見きれいに見える須磨海岸でどれくらいのごみが集まるのでしょうか。
砂浜の細かいごみ、波打ち際に漂着したごみ、遊歩道や階段のごみを中心に探す人方もいます。同じ海岸でも、ごみを見つけるポイントはさまざま。参加者の方にお話を聞いてみました。
スポチャレポイントに早速挑戦していた女性は、「ごみ拾いは1人でやるより、こうやってイベント的にみんなでやると楽しいですね。」と、普段のごみ拾いとは違う雰囲気を楽しんでいる様子。
家族4人で参加されていたお父さんは「ステンスワンのイベントに、家族でよく参加しています。前回はJR神戸駅周辺でごみ拾いをしました。」 休日に家族で環境にやさしいアクションができるって素敵ですね。
親子で念入りにプラスチックごみを拾っていたお母さんは、「須磨海岸に遊びに来たときは、ごみを拾いますよ。」イベントだけではなく、海で遊ぶ時に意識することはとても大切なこと。楽しむだけでなく海のことを考えられる人がもっと増えてほしいです。
スポチャレポイントでスワンポーズ片足立ち30秒に挑戦するみなさん。遠くから見るととてもかわいい光景です。立幅跳びのポイントではみなさん豪快にジャンプしていました。
そして、あっと言う間にゲーム終了の時間。終了間際に「最後に走ってポイントを稼ぐぞ!」と勢いよく走りだす方や「もっとやりたかった!」とまだまだ元気な笑顔を浮かべる方も。夏本番の暑さで日差しが強いにもかかわらず、競技を終えた皆さんは清々しい表情です。早速、チームで集めたごみの重さを測ってポイントを計算します。
司会のムサさんからお待ちかねの順位発表。順位に関わらず、ポイントの発表に大きな拍手と笑顔があふれます。優勝は「Bチーム」でした。
優勝チームには、竹で作られたカトラリーセットが送られました。賞品もエコですね。個人の特別賞は大きなごみを両手いっぱいに抱え、スタッフを驚かせた方が選ばれました。
最後に司会のムサさんが参加者のみなさんに向けてメッセージ。「海洋プラスチックごみによって、将来、子供たちが大人になったとき、安心して魚が食べられない時代が来るかもしれません。そうならないように、今日をきっかけに、みなさんが使っているプラスチック製品を意識しながら、日々を過ごしてほしいと思います。」
スポーツイベントとしてごみ拾いを体験することで、ごみ拾いやプラスチック問題をより身近に感じることができました。工夫次第で「みんなで一緒に」「面白く」取り組むことができます。ぜひ、みなさんもプロギングに挑戦してみてくださいね。(取材:北村胡桃)