つめかえパックリサイクル

実証実験から本格稼働へ。スーパーマーケットの役割は「集める」ことと「活動の輪(環)を広げる」こと。

【つめかえパックリサイクル PROJECT COLUMN VOL.3】

2023.02

つめかえパックリサイクルへの挑戦

株式会社ダイエーは、神戸市内で22店舗のスーパーマーケットを展開しており、「食品ロス削減」、「脱プラスチック」など様々な社会課題への対応に向けた施策を神戸市と連携しながら進めています 。そのような中、洗剤やシャンプーなどのつめかえパック製品のリサイクルの話をいただいたのは、2021年の春でした。つめかえパックをリサイクルして、再びつめかえパックに戻すために、それらの製品を販売している企業として、できる限り市民の皆さまより使用済つめかえパックを集める拠点としての協力をさせていただきたいと考えました。スーパーマーケットは、老若男女を問わず、多くの市民の皆さまにご来店いただく場であり、牛乳パックや食品トレーなどを集めてリサイクルする活動は、今やほとんどのスーパーマーケットに拡がっています。しかしながら、使用済のつめかえパックを回収しているスーパーマーケットはほとんどない中で、本当に市民の皆さまにお持ちいただけるだろうか、きれいに洗って回収箱に入れていただけるかという心配もありましたが、先行して2021年6月より神戸三宮店で実証実験をスタートしました。

従業員がお手本に

神戸三宮店では、まず従業員への周知から始めました。これは、お客さまからご質問をいただいた際にきちんとご説明ができるようにするためです。そしてもうひとつは従業員も、一人の市民として、そして率先垂範として、自宅で使用したつめかえパックを持参し、投入するよう呼びかけるためです。従業員からは、先進的な活動に自分も協力したい、環境活動は進んで行動したいという前向きな声もあった一方で、牛乳パックや食品トレーなどと違いつめかえパックは出る頻度が少ないから集まるかが心配といった声もありました。しかしながら、神戸市のPR活動やプロジェクトメンバーによる認知拡大に向けた協働 、そして市民の皆さまの環境保全への意識が高くなってきていることもあり、9月までの実験では約9kg(2店舗合計)のご協力をいただきました。

実証実験から本格稼働へ

2021年10月からは当社を含む小売4社、日用品メーカー、リサイクラー(再資源化事業者)と循環型社会の実現に向けて協働し、つめかえパックをつめかえパックに戻す「水平リサイクル」を目指す「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」が動き出しました。当社も神戸三宮1店舗から市内全店(22店舗)に回収する店舗を拡大しました。本格稼働に際しては、実証実験時と同様、店舗ごとに従業員へ説明をするとともに、市民の皆さまにより多くのつめかえパックをお持ちいただけるよう、つめかえパックを販売している場所への回収BOXの設置や店舗入り口に近い場所にディスプレイをするなど、店舗環境にあわせて目に留まりやすいように工夫しながら取り組んでいます。

 

※写真は2021年10月の神戸三宮店の本格稼働時の写真

市民の皆さまのご協力

こうした取り組みの効果もあり、市民の方にお持ちいただける量も増えています。開始当初は1店舗平均1kg弱でしたが、今では3kg程度まで回収量が増えています。神戸市の目標とする月5kg以上を回収する店舗も増えてきました。使用済つめかえパックが出る頻度は低い ため、まとめてお持ちいただく方も多いようです。市民の方からは、つめかえパックのリサイクルはあまり聞いたことがないけど、マイバッグを持ち歩くなど日ごろから環境保全を意識した行動をしているからつめかえパックリサイクルにも協力したい、環境活動はみんなで実践 することが必要などのお声をいただいており、その声が店舗従業員も 活動に対しての原動力になっています。

 

2021年10月から2022年9月までの回収重量の推移(小売4社計)

活動の輪(環)を広げる

スーパーマーケットでの役割は、大きく二つあると考えています。ひとつは、店舗内に市民の皆さまが使用済つめかえパックをお持ちくださった際に投入するBOXを置いて「集める」ことです。そして、もう一つは、この活動を多くの市民の皆さまに「知って」いただき、「活動の輪(環)を広げる」ことです。投入されているつめかえパックを見て、私も協力しよう!と思っていただき、行動につながっていきます。まさにこれが「活動の輪(環)」となり、広がっていくわけです。現代社会において、ごみを分別することは「当たり前」になっています。近い将来、つめかえパックリサイクルも「当たり前」になる時代がくるのではないでしょうか。神戸市で先行して始まったこの活動の輪(環)が県内に、そして全国に広がっていくようにお客さまとともに、進めてまいります。
(株式会社ダイエー 総務部/中山 大輔)

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